10月8日は皆既月食、2014は久々の撮影チャンス!ベストな時間は?
10月8日は皆既月食です。
今回見られる天体ショーは、日本では実に3年ぶり。
月の一部分が欠ける月食ならもっと近い日でも過去にありますが、月がすっぽり隠れるのは、2011年の12月10日以来なんです。
今日は夜の天気予報も全国的に晴れのようですし、絶好の撮影チャンス!
そこで、皆既月食がはじまる時間や上手に撮影するためのポイントなど、まとめてみました。
お仕事などの都合でリアルに見られない方のために、Live中継の情報もお知らせします!
■皆既月食がはじまる時間は?
先ほども言いましたが、今回の皆既月食は日本では3年ぶり。
沖縄では、月が昇ってくるときにわずかながら欠け始めているということですが、他の地域では始めから終わりまで、宇宙の神秘をバッチリと捉えることができます!
せっかくなら、月が欠けてくる最初からちゃんと観たいですよね?
皆既月食の始まりから終わりまでの時間は、国内のどこで観る場合でも同じですので、下記をチェックしてください^^
国立天文台が発表した皆既月食の時間は、
部分食がはじまる時間・・18:15
皆既食がはじまる時間・・19:25
皆既食がピークになる時間・・19:54
皆既食が終わる時間・・20:25
部分食が終わる時間・・21:35
「部分食」というのは、呼んで字のごとく月が部分的に欠けている状態。
そして、「皆既食」が地球の影に月全部がすっぽりと入っている状態を指します。
皆既食が続く時間は、毎回同じではありません。
今年は絶好の観測チャンス!といわれるのは、ここに理由があります。
今回の皆既食は実に1時間も続きますが、次回日本で観られる2015年4月4日の皆既食は、約13分で終わります。
そして、次に今回と同じくらい長く皆既食が続くのは、2018年の1月31日(約1時間17分)。
日本にいたとした場合、今回と同じ条件で皆既月食を見られるチャンスは、3年3ヶ月くらい先までないわけです。
「また次に観れるチャンスがあるさー」と今日を逃すと、次はすぐには巡ってきませんから、時間のある方はぜひ夜空を見上げてみてくださいね^^
方角は、東から南東にかけての位置です。
この方向に窓があれば、外に出なくても部屋の中から月食を観察できるかもしれませんね。
■月が赤くなるのはなぜ?
皆既月食といえば、一番のポイントは英語で「Blood Moon」といわれるくらい月が赤く見えるところ。
どれだけ赤くなるかは毎回違いますが、いろんな条件がそろえば、こんなに真っ赤に見えます。
これは、今年の4月に西アメリカで撮影された皆既月食。
まさに「ブラッドムーン」ですね・・ドラキュラか狼男でも出てきそうです(; ̄ー ̄川
なぜこんなに月が赤くなるのか、不思議ですよね?
これは太陽の光が大きく関係しています。
皆既食のときには月が地球の影に隠れていますから、本来なら月は見えなくなるはずですよね。
なのにどうして見えるかといえば、太陽の光が地球の表面にある大気で曲がり、月まで届くからです。
人の目には見えませんが、光には赤・青・黄の三原色から成っています。
そして、この光の波長が長いほど遠くまで届くことがわかっています。
三原色のうち青や黄は波長が短く、すぐに大気の中で散乱してしまうため、途中で消えてしまいます。
ですが、一番波長の長い赤だけは大気を通っても散乱せず、遠くの月まで届きます。
月が赤く見えるのは、そのためです。
身近なことで話をすれば、日暮どきに見られる夕焼けもこれと同じ原理です。
■赤の度合いが変わるのはなぜ?
皆既月食は月が赤く見えるのが最大の特徴ですが、先ほども少し言ったように、どれだけ赤く見えるかは毎回異なります。
月の赤さは、太陽の光が通る地球の大気にどれだけチリが混ざっているかで変わるんです。
大気中にあまりチリが混ざっていないときは光が通るのを邪魔するものが少ないため、たくさんの光が通ってオレンジがかった明るい赤に見えます。
黒みがかった赤に見えるときは、光がスムーズに通れないくらいたくさんのチリが混ざっているということですね。
ですから、たとえば火山の噴火が起こったりすると、大気中に火山灰が混ざり、灰色がかった皆既食になります。
日本ではつい先日御嶽山の噴火があったので、じゃぁ今回はキレイな赤い月が見られないの?と思いますね。
国立天文台の調査では、御嶽山の火山灰は大気圏の一番外側にある成層圏までは届いていないそうです。
そのため、今回の皆既月食にはほとんど影響しないのでは?とみられています。
とはいえ、御嶽山だけでなく地球全体の大気中にあるチリの量が影響するので、必ず明るい色になるとは断言できません。
今回はどんな色に見えるのか、そのときにならないとわからないのも宇宙の神秘ですね。
■月からはどう見えている?
私たちは地球から月を見ていますが、皆既食のときには太陽と地球、月が一列に並んでいるわけですから、月からみると地球と太陽とが重なって見えるはずですよね?
それなら、月からは地球が欠けて見えるの?ということになりますが、その通りです。
今年の2月、JAXA(宇宙航空研究開発機構)がNHKと協力してその様子を世界で初めて写真に収めています。
それがこれ。
地球が太陽を隠し、太陽の外周から漏れる光がリングのように見え、とってもキレイですね(*´ェ`*)
■皆既食には他の楽しみも?
皆既月食というと月を観察することしか頭にありませんが、実はその他の楽しみもあるんです。
それは、月の明かりで普段は見えない暗い星が見られるということ。
そのときによって星の位置関係が違うので毎回ではないということですが、今回の皆既食では、天王星が月の近くにきているそうです。
周囲に明かりがあると見えにくい可能性がありますが、そうでなければ双眼鏡なしでも見えるかもしれません。
天王星の位置は、月の右側。
月の大きさ1~2個分くらい離れたところに少し暗い星があれば、それが天王星です。
メインは月ですが、せっかくのチャンスですから、ぜひ天王星も探してみてくださいね。
■皆既食をキレイに撮るには?
完全な状態では、そうそう頻繁に見られない皆既月食。
今回はお天気もいいので、記念に写真を撮っておこうという方も多いのでは?
最近はデジカメもスマートフォンも性能がいいのでキレイな写真が撮れますが、ポイントをおさえておけば、さらに上手く撮ることができますよ^^
iPhoneユーザーの方は、まず明るいところにカメラを向けて画面を長押しします。
すると「AF/AEロック」の状態になり、そのまま写真を撮ると他の光にあまり邪魔されずに撮影できます。
デジカメで撮るときは、マニュアルモードでシャッターの速度を速めに設定するか、夜景の撮影モードで撮ってみましょう。
どちらのモードもフラッシュは使わず、露出が設定できるなら長めにします。
ちょっとしたコツでキレイに撮れるので、ぜひ試してみてください。
■直接観られないときは?
皆既食は観たいけど、今回はちょっとムリだぁ・・という方は、パソコンが使える環境なら、ライブで観ることもできます。
⇒ウェザーニュース(SOLiVE24)(18~21時)
⇒ニコニコ動画みんなでお月見の会(18~23時)
それもムリ!という人は、今回の皆既月食のシミュレーション動画で雰囲気だけでも味わってください(; ̄ー ̄A
●皆既月食シミュレーション
出典:AstroArts
ちなみに、リアルで撮った(というかライブのものですが)月はこんな色でした。
今回は、キレイなオレンジ色の月でしたね(*^^*)
天王星も、肉眼で見えました。
月とかなり大きさが違いますね(・_・;
最後に、月といえば日本ではウサギがお餅をついている絵に見えるといいますが、国が違えば見え方もずいぶんと違うようです。
こんな感じに・・。
なんだか面白いですね^^